Beginning of GenesisGirl section 5
「ようやく見えてきました。あちらが我が街、オーストンでございます。 もうひと息で到着ですぞ」 ゴードンの言葉に、メイとリコが首を伸ばして前方を覗き込む。 木立の間から見えたのは、石造りの大きな壁。壁の途中にはとんがり帽子の塔が建ち並び、その奥にも建物の屋根らしきものが目に入った。 その圧倒的な迫力に、...
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「ようやく見えてきました。あちらが我が街、オーストンでございます。 もうひと息で到着ですぞ」 ゴードンの言葉に、メイとリコが首を伸ばして前方を覗き込む。 木立の間から見えたのは、石造りの大きな壁。壁の途中にはとんがり帽子の塔が建ち並び、その奥にも建物の屋根らしきものが目に入った。 その圧倒的な迫力に、...
ゴードンが汲んできた水でゴクリと飲み干すと、メイはふうと大きく息をついた。 「えーっと、もう一度確認するけど、ボクたちは『異世界』に来ちゃったってことなのね」 真剣な眼差しを送るメイの言葉に、ゴードンがコクリと頷く。 「歌聖使(アンジェ)様の言葉をお借りすると、そういうことになるかと」 「本当に異世界なんだ...
「ここなら安全なようです。少し休んでいきましょう」 近くの水場まで移動すると、ゴードンが周りをぐるりと見渡してからうんと一つ頷いた。 すると、ゴードンの肩の上に担がれていたメイが、バランスを崩して足をバタつかせる。 「わ、わかったから……」 「早くおろして下さい、もう大丈夫ですので……」 反対側の肩に座...
『We are Genesis Girl. Are You ready? Everybody Scream !!!』 背後から聞こえてきた叫びのような声に、鬼が思わず振り返る。 その眼が捉えたのは、岩陰から飛び出した二人の少女の姿であった。 「危ない! 顔を出すんじゃ……」 少女たちに警告を発しようと...
ギィンギィン、ガンガンガン……。 遠くで打ち鳴らされる激しい金属音を聞きながら、制服姿の二人の少女が岩肌に隠れてじっと身を潜めていた。 互いにしっかりと腕を抱き寄せ、小刻みに身を震わせる。 少女の一人は、膝にじんわりと血をにじませていた。 「リコ、膝、大丈夫?」 「うん、少し擦りむいただけ。メイこそ怪我して...